今まで、違法になっていて、禁止されていた企業の中でも副業が解禁されたのは、なぜ?

 

日本人は、戦後から、経済成長をする中で、大きな企業に勤めて、いい会社に入って、一生そこで頑張りなさいといわれてきました。家庭も顧みず、昔は、24時間働きましょうと言われていました。そう言われて、そのまんま、疑いもなくやってきた大人は、がんがん働いて、退職すると力も尽き果てて、夢も、したいこともないので、すぐに、死に至ることが多かったということでした。(悲)

 

 

なぜ、日本は政府も、企業もこのような施策を行ってきたのかというと、個人の全能力を仕事に注いでもらうのが、企業や政府にとっても、日本人にとっても一番いいとされてきたからなのです。企業の中の1つの仕事に全力を注いでもらうためには、副業を禁止して、更に違法にしてしまえば、人々の労働力はそこに集中するだろうというわけですね。

賢いけど、矛盾もありますね。違法で禁止だったものが、これからは徐々に、合法で認められるのですから。

 

その背景にあるのは日本が昔から培ってきた、空気のように当たり前になっている、ある事があるのです。

 

日本は、昔から、個人を大事にしない社会でした。個人よりも全体の大きな組織を大事にしてきました。滅私奉公という古い言葉があるのですが、私のことは、無くして、幕府やその藩の大名やその商売のお家の業に力を注ぐことが大事と教えられてきました。この流れはが、本当に身についてしまっているんですね、私たち日本人の中に。

 

それで、組織から離れて個人が稼ぐなんてことはあり得なかったのです。

 

ところが、今からの社会は個人が力を付けなくてはならない社会ですし、個人が力をつけようと思ったら、そうした能力を得やすい社会になっています。インターネットで、検索すれば知識は手に入りやすいし、たとえ独学でも、調べる習慣がある人は、それだけでいろいろな知識・情報が手に入ります。これは以前の社会では考えられなかったことです。

 

大きな企業は、たくさんの人数を抱えることで、規模の大きな営業をすることができていました。多人数が、一度に営業にかかれば、成約率が高くなりました。でも、今はSNSなどが発達していますので、個人でも影響力がある人は、1人で100人分の制約をすることができる時代になってきました。

 

そこで、大企業は、人員を減らして、SNS上で影響力のある人に仕事を依頼するということが多くなってきたのですね。

 

そうした状況に加えて、日本は年金を出すことができない社会になっています。財源がないとか財源はあるのに年金としては拠出しないとか、いろいろ意見はあるのですが、例えば防衛費、国際支援にはお金を回しているので年金にお金を回せないのはおかしいとか・・・本当に、いろいろあるのですが、それでも年金は増えないので、退職したら、自分で稼ぐという方向に向かっています。

 

企業内でも長時間労働で生産をし続けたために、労働時間は長いのに一人当たりの生産性が先進国の中でも低くなってきているという状況があります。企業も生産性が上がらないのでは賃金を上げられません。そして、人員減らしに走ることになります。

 

年金問題、リストラ対策、雇用されても賃金が上がらない現状、個人の生産性の問題を踏まえて、個人で稼ぐ力をつけてくださいね、ということになってきています。

 

ただ、公務員は別で、副業を禁じている状況ですが、その分、再雇用ということで長期間労働(65歳まで? 68歳まで? 70歳まで? 再雇用制度の中で働く。)になってきています。ですが、これも東京オリンピック以降はどうなるかわかりません。年寄りを再雇用するよりは、外国人を安く採用した方が、効率がいいということになって、日本人の長期間労働もなくなることがあるかもしれませんね。

 

というわけで、結論は、自分のスキルを上げて、個人で稼げる力を副業しながらつけていくということが正解です。